さすらう若人の歌 作曲考 3/5
T 調性の配列
U 和声上の特長
V 旋律上の特長
W カデンツと旋律
… 保続音(状態)とモチーフに注目して、構成を見る 第1曲 第2曲 第3曲 第4曲
注1 {
}は移動ド表現です。 {ミレドレミーラーミー} 大文字は、モチーフを表現
注2 [ ] は固定ド表現です。 [ラソファソラーレーラー]
注3 【 】は練習番号と小節を示す。 。 【練11 111】は練習番号11で最初から111小節目
注4 「保続音」とは、強拍、或いは、高頻度で出現する同音の(保続音)状態。
注5 オーケストラ譜 音楽之友社「OGT1251」をベースに説明。
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W カデンツと旋律
… 保続音(状態)とモチーフに注目して、構成を見る 2 |
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第2曲 127小節 … 内82%
(104小節) は保続音 |
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第1部 【練8 1】〜【練10 28】 28小節
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@ 【練8 1〜9】 10小節
主調 ニ長調のT DMaj {CMaj} |
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カデンツ … 【練8 1〜9】 保続音は属音
A{G}により、ドミナント。
旋律 … 【練8 1〜4】 X度A{G}で構成された1小節半の前奏後、第1モチーフBを先頭に、第1主題部開始
{ドソドレミファソー}
{ソドレミ}
→【練8 4〜6】【練8 6〜9】 旋律は、1音だけ抜けたD Ionianの順次進行フレーズと、その模倣。
それぞれファとミが抜けているが、これは、続くフレーズである第2モチーフの構成音であり、
出現への期待感を意図したものか
ファの抜けた順次進行
{ラーシドシーラーソーミーファー}
ミの抜けた順次進行 {ソーラシラーソーファーレーミー
ソー(ラシ)ラー} |
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A 【練9 11〜14】 4小節 主調ニ長調のT DMaj
{CMaj}
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カデンツ … 【練9 11〜14】 同時保続低音 根音D{C}、属音A{G}により、トニック。
旋律 … 【練9 11〜14】 第2モチーフA(同度削除)を先頭に、繰り返し(2回目は変形)、第2主題部を形成。
ここは、保続音がD{C}なので、トニックのモードにあり、「主音上のX」を形成している。
Asus47 {Gsus47} で、3全音を形成していない。
3全音を形成する為に必要なC#{B}は、対旋律のチェロで、経過的に出現するが、控えめである。
このチェロの導音の動きを考慮しても、せいぜい、弱い、主音上のドミナントモーションを
2回繰り返すというところであろう。(A7/D→DMaj/D{G7/C→CMaj/C}
{ファーファーミファレミドーミー・ファーファーミファソラシードー} {ファミ}
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B 【練9 15〜22】 8小節 主調 ニ長調のT DMaj {CMaj} |
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カデンツ … 【練9 15〜22】 保続音 属音A{G}により、ドミナント。
旋律 … 流動的に経過句を形成。
【練9 15〜16】 旋律は、第2モチーフC(上下反転)とその模倣で上向
{ド#-レレー
レ#-ミミー} {ファミ}
→【練9 17〜18】 伴奏部 第2モチーフC(上下反転)と順次進行上向下向
{ファーファ#-
ソラシ レドシラ} {ファミ}
→【練9 19〜22】 旋律は、第1モチーフE模倣と順次進行下向
{ソー・ソー・ド#レミ)}
{ミレドシラソドー} {ソドレミ} |
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C 【練10 23〜28】 6小節 内部調(平行調
)ロ短調のY GMaj を先頭に推移 {FMajj} |
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カデンツ … 【練10 23〜28】 独立和音的カデンツ進行
旋律 … 【練10 23〜25】 旋律は、平行調(B Aeolian)で、導音を使用し、経過句を形成。
{ラーソ#ラファラファーミレ}
【練10 25〜28】 伴奏部は、B Aeolian「半音階3音+5度跳躍+導音のトリル」後、再現部前奏
{シ(ララー)
ド(ラー) ド#(ラー) ミ(ラー) ソ#ラソ#ラ〜} |
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第2部 【練10 29】〜【練13】 35小節 |
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D 【練10 29〜練11 38】 10小節 主調 ニ長調のT DMaj {CMaj} |
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カデンツ … 【練10 29〜練11 38】 2小節目から保続音 根音D{C}により、トニック。
旋律 … 【練10 29〜練11 32】 属音A{G}で構成された6拍の前奏後、
第1モチーフBを先頭に、第1主題を再現 {ドソドレミファソー}
{ソドレミ}
→【練11 32〜34】【練11 34〜37】 旋律は、1音だけ抜けたD Ionianの順次進行フレーズと、その模倣。
それぞれファとミが抜けているが、これは、続くフレーズである第2モチーフの構成音。
ファの抜けた順次進行 {ラーシドシーラーソーミーファー}
ミの抜けた順次進行 {ソーラシラーソーファーレーミー
ソー(ラシ)ラー}
→【練11 36〜38】 伴奏部で {ソッソソソー ドレミードー} {ソドレミ}
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E 【練12 39〜42】 4小節
主調 ニ長調のT DMaj {CMaj} |
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カデンツ … 【練12 39〜42】 同時保続低音 根音D{C}、属音A{G}により、トニック。
旋律 … 【練12 39〜40】 旋律は、第2モチーフA(同度削除)を先頭に、第2主題部を再現。
{ファーファー
ミファレミドーミー} {ファミ}
→【練12 41〜42】 伴奏部({ミファソラシードー} は旋律も加わる)第2モチーフA変形で、第2主題の繰り返し
{ファーファー
ミファソラシードー} {ファミ}
【練12 39〜42】は、保続音がD{C}なので、トニックのモードにあり、「主音上のX」を形成している。
Asus47 {Gsus47} で、3全音を形成していない。 (以下 A【練9 11〜14】 と同)
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F 【練12 43〜50】 12小節
主調 ニ長調のT DMaj {CMaj} |
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カデンツ … 【練12 43〜50】 保続音 第5音A{G}により、ドミナント。
旋律 … 流動的に経過句を形成。
【練12 43〜44】 旋律は、第2モチーフC(上下反転)とその模倣で上向
{ド#-レレー
レ#-ミミー} {ファミ}
→【練12 45〜46】 伴奏部 第2モチーフC(上下反転)と順次進行上向下向
{ファーファ#-
ソラシ レドシラ} {ファミ}
→【練12 46〜50】 旋律は、第1モチーフE模倣と順次進行下向
{ソソー
ソソー・ド#レミ)} {ミレドシラソドー} {ソドレミ}
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G 【練13 51〜63】 13小節
内部調(平行調 )ロ短調のY (主調 ニ長調のW) GMaj を先頭に推移
{FMajj} |
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カデンツ … 【練13 51〜63】 独立和音的カデンツ進行
旋律 … 【練13 51〜54】 旋律は、平行調(B Aeolian)で、導音を使用し、旋律的短音階を下向、
{ドーシド
ラーソ#ラ ファーミファレー}
そして、第3モチーフA {ファ(レ)ソー} {ソ(シb)ドー} (A7→Asus4 7 の G(E)→A)
{ソドー}
【練13 53〜63】 伴奏部は、B Aeolian「半音階5音+順次進行上向下向音階」で、接続
{シ(ララー)
ド(ララー) ド#(ララー) レ(ララー) レ#(ララー)}と{ドーシド ラーソ#ラ ファーミファレー}
を含む旋律を使用し経過的に推移
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第3部 【練14】〜【練18】 64小節 |
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G 【練14 64〜74】 11小節 ロ長調のT BMaj
(主調ニ長調の+Y) {AMaj} |
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カデンツ … 【練14 64〜74】保続音 根音B{A}により、トニック。
旋律 … 【練14 64〜74】 伴奏部の、BMaj分散和音からなる前奏後、7拍目に、
第1モチーフB 第1主題が3度目の出現をし、2回繰り返す。{ドソドレミファソー}
{ソドレミ} |
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H 【練15 75〜84】 10小節 ロ長調のT BMaj
(主調ニ長調の+Y) {AMaj} |
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カデンツ … 【練15 75〜80】 保続音 根音B{A}により、トニック。
→【練15 81〜84】 保続音 属音F#{E}により、トニック。
旋律 … 【練15 75〜80】 旋律は変化し、第2主題 (第2モチーフA 同度削除) の音形を模倣。
6小節を使って、第3モチーフA {ソーソーソーラシド・レーレーレーミドソミファソー・ソソーラソー}
を形成。
→【練15 81〜83】 旋律は、第3モチーフA(ドーーソー) をベースに、{(ミレミド
シードレドシドラソー)}を形成。
{ドーソー}
→【練15 83〜85】 伴奏は、第1モチーフA前半の上下反転とその模倣
{ミファソラソー
ラシドミレー}つまり、{ソファミファソー ソファミファソー}の変形 {ソドレミ}
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I 【練16 85〜102】 18小節
内部(属)調 嬰ヘ長調 F#Maj (主調ニ長調の+V) {EMaj} |
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カデンツ … 【練16 85〜102】 保続音は、根音 F#
(主調の+V度){E}で、トニック。
旋律 … 【練16 85〜88】 旋律は、第1モチーフA(模倣)を2回繰り返し {レドシドレー}
{ソファミファソー}
{ミラシド}
→【練16 89〜91】 旋律は、3小節使い、第2モチーフ@(左右反転)模倣(F#7の分散和音)を形成。
{シミレシソミドー}
{ミラソミドラファー}
{ファーミー}
→【練16 91〜98】 旋律は、8小節使い、第2モチーフAを形成。{ファミレラファー・ファミレラファー・・・ミレドラソー}
伴奏部低音で4小節間、B{ファ#}の長音が、5小節目で、A#{ミ}に解決。、和音は、C#9→F# {G9→C}
ここでは、Z度→T度による、「3全音の解決」こそ出現しないが、
W度→V度に加え、X度→T度、Y(\)度→X度(X度以外は限定進行音)が出現。
{ファーミー}
→【練16 97〜98】 伴奏は、1音[ファ#]を除けば、完全5度(4度)で構成。 [ファ#ーソ#ド#ファー#ソ#レ#]
その1音{ファ#}とは、先行音(第1モチーフB出だし) {ドソドレミファソー}の{ド} つまり{ドーレソドーレラ}となる。
{ドソドソ}
→【練16 99〜102】 伴奏は、1音[ファ#]を除けば、完全5度(4度)で構成。
[ファ#ド#ファ#レ#フ#ァド#ファ#レ# ファ#ファ#フ#ァファ#〜] {ドソドラドソドラ
ドドドド〜} {ドソドソド〜}
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J 【練17 103〜114】 12小節
内部(属)調 嬰ヘ長調 F#Maj (主調ニ長調の+V) {EMaj} |
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カデンツ … 【練17 103〜114】 保続音は、根音 F#
(主調の+V度){E}で、トニック。
旋律 … 【練17 103〜105】 旋律は、第1モチーフB+第2モチーフ@が出現。
{ドソドレミファミー}
{ソドレミ}{ファミ}
→【練17 105〜107】 伴奏部で、第1モチーフB+第2モチーフ@が再現。
{ドソドレミファミー}
{ソドレミ}{ファミ}
→【練 108〜110】 旋律は、第1モチーフB+第2モチーフ@が、再現。
{ファドファソラシbラー} {ドソドレミファミー}
{ソドレミ}{ファミ}
→【練17 110〜112】 伴奏部で、第1モチーフBが出現。
{ファドファソラー} {ドソドレミー}
{ソドレミ}
→【練17 112〜114】 伴奏部で、第2モチーフ@(左右反転)が4回出現。
ここは、【練14】で転調した、(内部調嬰ヘ長調の主調である)ロ長調の{シドシド}ときこえる。
{ミファ
ミファ} {シドシド} {ファミ}
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K 【練18 115〜127】 13小節
内部(属)調 嬰ヘ長調 F#Maj (主調ニ長調の+V) {EMaj} |
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カデンツ … 【練18 115〜123】 保続音は、属音
C# (主調のZ度){B}で、ドミナント。
→【練18 124〜127】 保続音は、根音F# (主調のV度){E}で、トニック。
旋律 … 【練18 115〜118】 旋律は、4小節使い、転位音{レ#}を加えながら、第2モチーフAを形成。
{ファレー
レ#ミドー} {ファーミー}
→【練18 119〜123】 旋律は、X度跳躍を先頭に、下向順次進行(含第2モチーフ@)。
{ソレド
シーラソーファーミーレー ドーシー} ただし、{ドーシー} は伴奏部
{ファーミー}
→【練18 124〜127】 伴奏部で第2モチーフAを2回含む旋律
{ソーファー
ミソファファーミー}
{ファーミー} |
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