さすらう若人の歌 作曲考 5/5
T 調性の配列
U 和声上の特長
V 旋律上の特長
W カデンツと旋律
… 保続音(状態)とモチーフに注目して、構成を見る 第1曲 第2曲 第3曲 第4曲
注1 {
}は移動ド表現です。 {ミレドレミーラーミー} 大文字は、モチーフを表現
注2 [ ] は固定ド表現です。 [ラソファソラーレーラー]
注3 【 】は練習番号と小節を示す。 。 【練11 111】は練習番号11で最初から111小節目
注4 「保続音」とは、強拍、或いは、高頻度で出現する同音の(保続音)状態。
注5 オーケストラ譜 音楽之友社「OGT1251」をベースに説明。
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W カデンツと旋律
… 保続音(状態)とモチーフに注目して、構成を見る 4 |
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第4曲 67小節 … 内88%
(59小節) は保続音 |
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第1部 【練26 1】〜【練28 36】 36小節 |
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@ 【練26 1〜4】 4小節 主調ト長調のY Emin
{Amin} |
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カデンツ … 【練26 1〜4】 独立和音的カデンツ進行。
旋律 … 【練26 1〜2】 旋律は、第1モチーフDが2回、同度音 {ド} を付加し、第1主題を形成。
{ラシドードド
ラシドードードド} {ミラシド}
→【練26 3〜4】 旋律は、第1主題を2度上行型反復進行。 ここでは、転位音
{ド} を付加。
{(ド)シドレーレーレレ
(ド)シドレーレーレレ} {ミラシド}
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A 【練26 5〜8】 4小節 内部調ホ短調 Emin (主調ト長調のY)
{Amin} |
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カデンツ … 【練26 5〜9】 独立和音的カデンツ進行。
旋律 … 【練26 5〜6】 旋律は、第1モチーフD(同度音 {ミ} を付加)+第2モチーフ@
{ドレミーミーミー
ミー}+{ファミー} {ミラシド}{ファミ}
→【練26 7〜8】 旋律は、Y度跳躍+下向順次進行 (同度付加)
{ミミドー
ドー ドシシララー} |
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B 【練26 9〜練27 16】 8小節
主調ト長調のY Emin {Amin} |
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カデンツ … 【練26 9〜練27 16】 独立和音的カデンツ進行。
旋律 … 【練26 9〜10】 旋律は、第1主題 (第1モチーフDが2回)が、再度出現。
{ラシドードド
ラシドードードド} {ミラシド}
→【練26 11〜12】 旋律は、第1主題(第1モチーフD) {シドレーレ レー} を2度上行させ反復進行。
{ミレドレ}は、【練26 13〜14】に、上向順次進行 {ミ} と、転位音 {レドレ} で、経過的な橋渡し役。
{シドレーレ
レー(ミレドレ)} {ミラシド}
→【練26 13〜14】 旋律は、E AeolianをW度から音階を下向順次進行 (但し、3連符は転位音)。
第2モチーフA {ファミ} と第2モチーフ@ {レド} と第2モチーフB {シラ} を含む。
{シラ} では、三全音からT度 【練27 14】 に解決して終了。
三全音が解決すると言うことは、出だしの {ファミ} はト長調だが、
途中の{レードー (ドシbラ)ドーシーラー}から、平行調のト短調に転調しているというわけ。
{ファミーレードー
(ドシbラ)ドーシーラー} {ファミ}{レド}{シラ}
→【練27 15〜16】 伴奏部で、第1主題 (第1モチーフDが2回) の繰り返し。
{ラシドードド
ラシドードードド} {ミラシド} |
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C 【練27 17〜練27 23】 7小節 ハ長調のTCMaj
(主調のW) {FMaj} |
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カデンツ … 【練27 17〜練27 23】 同時保続音
(第1モチーフE ティンパニーの連打)
根音 C {F} と属音 G {C} により、サブドミナント。
旋律 … 【練27 17〜18】 旋律で、第1主題、第1モチーフDの再現は、
伴奏部、第3モチーフ@ 連打の前奏 (同時保続音) を従え、出現する (C Ionian)。
[ドレミーミミー]
{ソドレミ}
→【練27 19】 旋律線は、第1モチーフDの同主、ハ短調 (C Aeolian)。
[ドレミbーミbミbー] {ラシドードドー}
{ミラシド}
→【練27 20】 旋律線は、第1モチーフDの同主、ハ長調 (C Ionian)。
[ドレミーミミー]
{ソドレミ}
→【練27 21〜23】 旋律は、3小節の1拍目をつなぐとできる長調の第2モチーフA{ファファミー}の上に、
同主短調を借用した、第2モチーフCが4回出現。 {ファーミー}
換言すると、ハ長調 (C Ionian) の旋律線、[(ラbソ)ファー
(ラbソ)ファー (ラbソ)ファー (ラbソ)ミー]の上に、
[ラbソフ](同主、ハ短調 (C Aeolian) の {ファミ} ) を借用し合成。 {偽ファミ}
最終音 [ミー]は、ハ短調における Cmin の第3音[ミbー]ではなく、ピカルディ終止 Cmaj
の第3音。
[ラbソファー ラbソファー ラbソミー] {ファミレー ファミレー ファミド#ー} {偽ファミ}
【練27 21〜23】 一方、伴奏部は、2拍弱遅れて、対旋律として、同時保属音 G を先頭に半音階を上向し、
根音C (ピカルディ終止の根音) で終了。
この対旋律により、3全音を形成し、第2モチーフBのドミナントモーション。 {ファーミー}
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D 【練28 24〜36】 13小節 ハ短調のTCmin
(主調のoW) {Fmin} |
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カデンツ … 【練28 24〜36】 同時保続音
(第1モチーフEティンパニーの連打)
根音 C {F} と属音 G {C} により、サブドミナント。
旋律 … 旋律は、同主短調に切り替わったC【練27 17〜練27 23】の繰り返し要素が大きい。
【練28 24】 伴奏部で、第1モチーフD。 [ドレミbーミbミbー] {ラシドードドー}
{ミラシド}
同時に、伴奏部で、第1モチーフD+第1モチーフ@が、転位音 [ファ] を加えて、対旋律を形成。
[ドレミー(ファー)ミレドレミ(ファー)] {ソドレミ}
→【練28 25〜26】 旋律は、第1モチーフD前半 (完全4度跳躍) 後、下向順次進行
[ソーソーソドドーシbーラbソー] {ミーミーミララーソーファミ} {ミーラー}
→【練28 27〜29】 旋律は、第1モチーフD前半 (完全4度跳躍、増4度跳躍ではなく転位音である) 後、
下向半音進行 [ソレbドー ドシシbー シbララbー] {ミシbラー
ララbソー ソソbファー}
{ミラ}
→【練28 29〜31】 旋律は、第2モチーフA {レド} 2回の上に、短い第2モチーフCが4回出現。
換言すると、ハ短調 (C Aeolian) の旋律線の、
[(ラbソ)ファー (ラbソ)ミー (ラbソ)ファー (ラbソ)ミー]
{(ファミ)レー
(ファミ)ド#ー (ファミ)レー (ファミ)ド#ー} 上に、
[ラbソ] {ファミ}がきている。 {レードー}
最終音 [ミー] {ド#-} は、ハ短調における Cmin の第3音[ミbー]ではなく、ピカルディ終止
Cmaj の第3音。
[ラbソファー ラbソファー ラbソミー] {ファミレー ファミレー ファミド#ー} {偽ファミ}
一方、伴奏部は、2拍遅れて、対旋律として、同時保属音 Gの次、[Ab] から、半音階上向し、
,転位音 (過復元解決) を加えて、[B] から根音C (ピカルディ終止の根音) で終了。
この対旋律により、3全音を形成し、第2モチーフBのドミナントモーション。 {ファーミー}
→【練28 31〜32】 伴奏部で、第2モチーフC3回。
[ラbーソ ラbーソ ラbーソ] {ファーミ
ファーミ ファーミ} {偽ファミ}
→【練28 34〜36】 伴奏部で、第1モチーフD3回。
1回目はハ短調、2回目は、ハ長調、3回目は、ハ短調で、第1モチーフD後半のみ。
[ドレミbーミbミbー] {ラシドードドー} [ドレミーミミー]
{ミラシド}{ソドレミ}
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第2部 【練29 37】〜【練31 67】 31小節 |
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@ 【練29 40〜44】 5小節 へ長調
(主調ト長調のoZ) {BbMaj} |
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カデンツ … 【練29 37〜39】 保続音 属音
C {G} {主調のF} により、サブドミナント。
→【練29 40〜44】 同時保続音 根音 F {C} {主調のBb} と属音 C {F} により、トニック。
旋律 … 【練29 37〜40】 伴奏部で前奏。
{ソ} の1音をアレンジした2小節経過後、第3モチーフ@ {ソーソドソドソ} {ドソドソ}
→【練29 41〜42】 旋律は、第2主題、第1モチーフE。
[ドファファーファファ ソララドドードー] {ソドドードド
レミミソソーソー} {ソドレミ}
→【練29 43〜44】 旋律は、第3モチーフA。 ( {レシ} {ミ} は転位音)
[ドファファーファファファーソファミファドーラドー] {ソードドードド
ドーレドシド ソーミソー} {ソードー} |
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A 【練30 45〜50】 6小節 へ長調
(主調ト長調のoZ) {BbMaj}
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カデンツ … 【練30 45〜49】 同時保続音 根音
F {C} {主調のBb} と属音 C {F} により、トニック。
旋律 … 【練30 45〜46】 伴奏の中高音部で、第1モチーフE+下向順次音階 ( {ミ} は転位音)
[ドファーファソラー ソファミレドーラドー] {ソドードレミー
レドシラソーミソー} {ソドレミ}
→ 同時に 伴奏部(旋律にハーモニーをつけていたバイオリン2重奏の、
{ソ} (同度の最終音) を前奏とし、3拍目から、旋律で、第1モチーフE
[ファーファソラドドードードー] {ドードレミソソーソーソー} {ソドレミ}
→ 【練30 45〜46】 伴奏低音部チェロのソロ、第1モチーフE+第1モチーフA+下向順次音階
[ドファソラーソーファーソーラソファミレドー] {ソドレミーレードーレーミレドシラソー} {ソドレミ}
→ 【練30 47〜48】 旋律で、3度跳躍後、下向順次進行 (含第2モチーフ@) +第1モチーフA
{(ソー)ファラソファミレドレ
ミソソーソー} {ファミ}{ソドレミ}
→ 【練30 49〜50】 伴奏部で、復元転位音+第2モチーフ@+第1モチーフ@模倣
{ソファラファ
ミレドレミbー} {ファミ}{ソドレミ} |
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B 【練30 51〜56】 6小節 ヘ短調
(主調ト長調のoZの同主短調) {Bbmin} |
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カデンツ … 【練30 51〜56】 同時保続音 根音
F {C} {主調のBb} と 属音 C {F} により、トニック。
旋律 … 【練30 51〜57】 全体として、旋律が、ヘ短調で、【練28 25〜31】を、再現する。
→【練30 51〜52】 旋律は、第1モチーフD前半(4度跳躍)後、下向順次進行
[ドードードードファファーミb-レbドー] {ミーミーミーミララーソーファミ}
{ミラ}
→【練30 53〜55】 旋律は、第1モチーフD前半(4度跳躍)後、下向半音進行(第2モチーフ@含)
[ドソbファー ファミミbー ミbレレbー レドシbー] {ミシbラー
ララbソー ソソbファー ファミ} {ミラ}{ファミ}
→【練30 56〜57】 旋律は、第2モチーフA2回の上に、短い第2モチーフ@を3回借用した旋律線。
換言すると、へ長調(F Ionian)の旋律線、[ファー ミー]に、[ラbソ](同主、へ短調(F Aeolian)の{ファミ})を借用。
[レbドラー レbドシbー レbドラー ] {ファミド#ー
ファミレー ファミド#ー}
{ファミ}
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C 【練31 57〜63】 7小節 へ長調 (主調ト長調のoZ) {BbMaj} |
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カデンツ … 【練31 57〜63】 同時保続音 根音
F {C} {主調の Bb} と属音 C {F} により、トニック。
旋律 … 【練31 57〜63】 旋律は、ヘ長調3和音の構成音2音が、2拍単位で下向 (但し、1音のみY度音)
[ラーラ ラーラ ファー レファー ドラー ドラー] {ミーミ
ミーミ ドー ラドー ソミー ソミー} |
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D 【練31 64〜67】 4小節 へ短調
(主調ト長調のoZの同主短調) {Bbmin} |
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カデンツ … 【練31 64〜67】 保続音 根音
F {C} {主調のBb} により、トニック。
旋律 … 【練31 64〜65】 伴奏部は、前の旋律を引き継ぎ、根音の同音を演奏 [ファー ファー ファー] {ドー
ドー ドー}
→【練31 66〜67】 伴奏部で、第1モチーフDと第2モチーフAの2重奏を、2回繰り返し。
[ファソラbーラbラbー] {ラシドードドー} と [レbドドードドー] {ファミミーミミー}
の二重奏
{ミラシド}{ファミ}
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