さすらう若人の歌 編曲考
福永陽一郎編曲「男声合唱」で感じる、2つの疑問を例に
T 調性の配列についての疑問
U 作曲者のモチーフと編曲者の旋律についての疑問
注1 {
}は移動ド表現です。 {ミレドレミーラーミー} 大文字は、モチーフを表現
注2 [ ] は固定ド表現です。 [ラソファソラーレーラー]
注3 【 】は練習番号と小節を示す。 【練11 111】は練習番号11で最初から111小節目
注4 「保続音」とは、強拍、或いは、高頻度で出現する同音の(保続音)状態。
注5 男声合唱とピアノのための 「さすらう若人の歌」 サニーサイドミュージック社刊をベースに説明。
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T 調性の配列について 第2曲のみ短2度上げた音程差の違和感 |
(1) 原曲と福永編比較 |
原曲 福永編 音程差
第1曲 彼女の婚礼の日は ヘ長調(ニ短調) ト長調(ホ短調) 長2度
第2曲 朝の野原を歩けば ニ長調 変ホ長調 短2度
第3曲 燃えるような短剣を持って ヘ長調(ニ短調) ト長調(ホ短調) 長2度
第4曲 彼女の青い目が ト長調(ホ短調) イ長調(嬰へ短調) 長2度
@ 原曲は、第1曲から第3曲まで、同主調
… 第1曲 ニ短調風、第2曲 ニ長調、第3曲 ニ短調
A 原曲の第3曲は、第4曲に対して、全体として「解決」 (D→G)。
… 全体のみならず、第3曲終了部からのプロセス(カデンツ)は、
第4曲第1主題を明確なターゲットとして(ドミナントモーションして)いる。
参照 「U
和声上の特長(5)」
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(2) 調性の配列違いによる、具体的な違和感を音で聴く |
@ 第1曲の終わり → 第2曲の始まり 【練7 89〜練8 4】
* マイナーからメジャーへの変化は、よく分かるが、もっとも音度差の大きな、突然転調にする必要性は、どこのあるのだろう。
ここは、双方の曲調を考えると、近い関係で自然な、属調への転調が、よく理解できる。
原曲の場合
第1曲最終音は、D で Gmin → 第2曲開始音は、A
で DMaj … 音度差は、完全5度、属音であり近い関係
福永編の場合
第1曲最終音は、E
で Amin → 第2曲開始音は、Bb
で EbMaj …
音度差は、増4度(減5度)で、遠い関係
A 第2曲の終わり → 第3曲の始まり 【練18 123〜練19 6】
* ここは双方の曲調を考えると、同度の始まりは、インパクトがないと言わざるを得ない。
,第3曲の始まりは、第3音を省いているので、調性は定まらない中で、
激しいドミナントモーションの繰り返し、第1主題(Dmin)に突入するというストーリー展開の場所である。
激しいクライマックスを迎えるそのスタートは、同度の引き継ぎで始めるのは、どういう意図なのだろうか。
原曲の場合
第2曲最終音は、A#で F#Maj → 第3曲開始音は、D と A 同時 で Dmin(DMaj) … 音度差は、短2度または長3度
A#→A は、半音下向のクロマチックアプローチ。
F#→D の根音移動は、同主短調のY(DMaj)なのか、あるいは、その借用(Dmin)なのか?
いずれにしても、ダイアトニックスケール (いわゆる通常の音階ドレミファソラシド) に存在しない。
福永編の場合
第2曲最終音は、Bで GMaj → 第3曲開始音は、E と B 同時 で Emin(EMaj) … 音度差は、同度または完全4度(5度)
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U 作曲者マーラーの旋律(モチーフに基づく)と編曲者の旋律 (第2曲 第2主題部分を例に)
{ファーファーミファレミドミ}
を内声化して、{ラーシードソミソ}を主旋律(外声)に、どうして?
全体を通じて、2箇所だけ、なぜ、モチーフを隠すかのような編曲としたか? |
マーラー作曲と福永編を聴き比べ、U@とUAを考える。 |
@ 第2曲 第1主題提示 → 第2主題の提示 【練8 1〜練9 16】
原曲の場合
福永編の場合
A 第2曲 第1主題再現 → 第2主題の再現 【練11 30〜練12 44】
原曲の場合
福永編の場合
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U@ 編曲で誕生した旋律{ラーシードソミソ}は、美しいメロディだが、存在理由がわからない。
旋律の持つ音形(リズム感)や、モチーフとの関係から見て、違和感が強い。
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(1) 第1回目の{ラーシードソミソ} 【練9 11〜12】について |
@ マーラーは、この音形(二分音符2回+四分音符4回)を、曲全体を通じて、一部にのみ使用。
第2曲第2主題{ファーファー ミファレミドミ}の出現前に使っているが、それ以外は取り上げていない。 |
※ この音形は、【練8 1〜4】 第2曲第1主題{ドソドレミファソー}提示の後、第2主題の前である、【練8 7〜10】に
2回出現しているだけである。
原曲は、
1回目、{ラーシードソラシ}、2回目{ドーレーミドソミ}と同じ音形(ハープ)の繰り返し。
そして、第2主題{ファーファー
ミファレミドーミー}が続く。
※ なぜ、福永編は、{ラーシードソミソ}
を、3回目として、同じ音形を、繰り返し続けたのであろうか。
「第2モチーフ」の位置づけと、第2主題{ファーファー ミファレミドミ}の {ファーミー} への意識の差だろうか。
※ マーラーは、この音形の繰り返しを、止めている。
そればかりか、第1主題の再現部【練11】はもちろんのこと、以後、どこにも使用していない
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A この音形の使用目的は、限定的である。
第2曲の第1主題{ドソドレミファソー}(第1モチーフ)から、第2主題出現に至る経過句としてのみ使用されているだけ。 |
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※ この音形を、対旋律として考えてみると、
第1主題{ドソドレミファソー}(四分音符6回+二分音符1回)の音形と、左右が逆であり、旋律線は反行している。
つまり、【練8 7〜10】での、2回の出現は、その意味で、理にかなっている。
※ 更に見てみると、この2回の出現に先立ち、
【練8 5〜6】で2回、その半分の長さである、
(二分音符1回+四分音符2回)、{ラーシド}
{ラ-シソ}
の音形(ハープ)が出現している。
同様な趣旨から、 理にかなった音形である。
※ しかし、この音形の、それ以上の発展は、避けている。
※ ところで、注視すべきは、
その後出現する、この音形と同形に近い、第2主題{ファーファー ミファレミドーミー}(第2モチーフ)登場との関係である。
この音形の一部である「二分音符2回」に注目すれば、活躍し続けることになるからだ。
ここに、マーラーの意図があると感じる。
つまり、この音形で、繰り返し使われる「二分音符」に注目すべきであろう。
{ファーファー ミファレミドミ}中にある「二分音符2回」を、ターゲットとして、前奏していると考える。
※ (二分音符2回+四分音符4回)あるいは、(二分音符1回+四分音符2回)について言えば、
第2主題の露払いとして、ここだけ限定的に、対旋律で活かすという意味が、見えてくる。
※ 福永編のように、このまま、音形(二分音符2回+四分音符4回)を維持し、
次に、同音形{ラーシードソミソ}(二分音符2回+四分音符4回)が続いてしまったら、
同時演奏となる主旋律の{ファーファー ミファレミドミ} は、かすむばかりである。
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B 第2主題{ファーファー
ミファレミドミ}第2モチーフの登場を演出しているマーラーのその他の工夫。 |
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※ 第2モチーフの構成は、基本的には、「ファミの2音」だから、音度差が少い。
存在を立たせるのに、色々工夫をしている。
※ ここで見られる、【練9 11〜12】 第2主題 {ファーファー
ミファレミドーミー} は、
{ファーファー} の二分音符に対し、 {ミファレミ} と、八分音符、つまり、差の大きな1/4の音符を使用し、特長づけている。
この長音と短音の過復元転位音を組み合わせて、{ミファレミドーミー} に、スピード感をもたらしている。
そして、第2主題と同音形(二分音符2回+八分音符4回+四分音符2回)を、続けて、繰り返す。
【練9 13〜14】 {ファーファー
ミファソラシードー} と続き、旋律のピーク 【練9 15〜16】 {ド#-レレー
レーミミー} へ。
この {ミファレミ} (八分音符4回連続) の旋律出現をきっかけとして、
伴奏部が全体合奏で、八分音符を主体に、旋律線のピークを盛り上げ、【練9 17〜22】
八分音符を主体に、緊張感を維持し【練10 23〜27】、
第1主題の再現を控えた、前奏につながる。【練10 28〜30】
このように八分音符に、二役をゆだねて、第2主題を引き立たせようとしていると感じる。
※ こうした工夫は、重視すべきであり、少なくとも、軽視、すべきで無い。
福永編の、同じ箇所、【練9 11〜練10 16】
は、別の曲のようである。 |
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C 「長音2回」(二分音符2回のみならず)の音形と第2モチーフの取り合わせは、この曲全体の、肝である。 |
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※ その証左として、「長音2回」の音形自体は、ここで表現されている、同度{ファーファー}ではなく、
単独で、第2モチーフ{ファーミーー}として、しばしば出現する。
※ たとえば、痛烈なインパクトを持つ「O weh!」に代表される場合と、
片や、落ち着いて静かに終わる第1曲、第2曲、第4曲の最終旋律線に、第2モチーフを使用。
つまり「動と静」の両極に、照準をあてている深謀を感じる。
※ また、全曲最後の、第4曲の最終メロディを、第1モチーフと第2モチーフの二重奏としていることは、
「さすらう若人の歌」の詩的側面に加えて、音楽構成の論理的側面からの到達点をも感じる。
※ 終曲に至るまでは、第1モチーフと、第2モチーフの関係は、対峙関係の表現に腐心の跡を感じる。
※ この第2曲の第1主題{ドソドレミファソー}の旋律は有名であり、
全曲に使われている第1モチーフの中で、もっとも象徴的だといえよう。
※ そして、その対旋律に、「長音2回」を含むことが有効だったとしても、
そのあまりに、第2モチーフを、引き立てこそすれ、飲み込んでしまうようなことがあってはならないと感じる。
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D 違和感の根拠として、加えると
第2モチーフは、下向2音(順次進行)の構成であり、上向ではない。 |
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※ 第2主題(第2モチーフ) {ファーファー
ミファレミドミ} は、単純化すれば、{ファーーーミーーー}あるいは、{ファーファーミーミー}。
※ 福永編の{ラーシードソミソ}は、上向2音(順次進行)を含んだ構成である。
単純化すれば、{ラーシードーソー}だろうか。 旋律線は、前半上向、後半下向。全体としては、むしろ下向ともいえる。
※ 旋律的観点からみると、マーラー作は、福永編の2倍速で下向。
{ラーシードソミソ}は、対旋律としては、反行ではないので、つまらない。とはいえ、使えなくもない。
ただし、対旋律の方が、目立ってしまい、主役の座を奪うことになる。
※ また、福永編は、音形の観点からみると、同形で、対旋律としては、好ましいといえない。
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(2) 第2回目の{ラーシードソミソ}について 【練12 39〜40】 |
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@ 【練11 30〜32】 第2曲第1主題が再現するが、今度はカノン風な展開となる |
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このカノン風展開は、【練12 39〜40】の第2曲第2主題再現直前に終了する。 |
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A 【練12 39〜40】 第2曲第2主題が再現する |
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福永編は、【練9 11〜12】の初回出現と、同一編曲内容の再現。
マーラーは、伴奏部で、トリルが加わったり、
演奏するパートのチェンジや、ピチカートにするなどのするの変更あり。 |
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B 福永編が、{ラーシードソミソ}を、
{ファーファー ミファレミドミ} の対旋律にしたてあげた違和感 |
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前述
(1) と同じ |
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(3) 福永編
{ラーシードソミソ}
を旋律としてみると、対旋律とはいえない。むしろ、主旋律である。 |
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@ {ラーシードソミソ}
は、{ド} と {ミ} の音度差が、6度。 |
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※ {ファーファーミーミー}は、2度。
{ファーファー ミファレミドミ}の{ミファレミドミ}は、{ミ}への過復元転位音である。
仮に、転位音を考慮しても、4度で、{ラーシードソミソ}より少ない。
※ これは、{ラーシードソミソ}の方が、メロディックマニュピレーション上、曲想が、激しいということ。
主旋律より目立つ。
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A {ラーシードソミソ}
はトップノートである。4声中、2声が演奏。 |
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※ {ラーシードソミソ}は、4声体の外声であり、和音の中で、目立つ。
加えて、最高音のメロディを形成するので、更に目立つ。
※ 男声合唱4部のうち、4声中第1、第2テナーと2つのパートが受け持つので、更に目立つ。 |
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B 第2モチーフ
{ファーファー ミファレミドミ} を、意識的に埋没させている。 |
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※ マーラーが、第1主題(第1モチーフ)にたいし、全曲を通じて、対峙させている第2モチーフを、内声(バリトン)としている。
※ 内声化により、{ファーファー ミファレミドミ}の屈伸作用をも無視
旋律線の、「山」に向かうため、「谷」を形成する、第2モチーフの意図は、活かされない。 |
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UA 編曲で誕生した旋律{ラーシードソミソ}は、トニックともいうべき性格なのに対し、
何故、ここで、ドミナントモーションをさせたのだろうか。和声の組み立て方針から見て違和感が強い。 |
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@ 福永編の{ラーシー
ドソミソ}は、「トニック」の旋律線といえるが、和声的には3全音の解決を伴った「ドミナント→トニック」進行。 |
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※ 全員合唱となっており、3全音を伴った、典型的なドミナントモーションを実現している。
導音の使用は、短音の四分音符ではなく、長音である二分音符を使用。
限定進行音は、テナーが{シ→ド}、バリトンが{ファ→ミ}を演奏し3全音を解決。
※ 原曲で存在する、T度X度は、ピアノ伴奏で、同時に演奏されるが、同時保続(注4参照)を意識した編曲ではない。
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A マーラー作の{ファーファー
ミファレミドミ}は、「ドミナント→トニック」(3全音解決)の旋律線といえるが、和声的には「トニック」の範疇。 |
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※ 旋律線{ファーファー ミファレミドミ}の{ファ→ミ}は、「ドミナント→トニック」を期待させる旋律線である。
しかし、和声的には、「トニック(主音上のX7)→トニック」であり、
3全音を伴ったドミナントモーションを、むしろ、避けようとしている。
何故なら、 保続音(注4参照)T度、X度の同時使用で、カデンツをトニックに押さえ込んでいるからである。
「導音」 {シ} は、伴奏部、チェロの対旋律中に、経過的に現れる付加音として、
1回の、弱拍部の短音、16分音符 {シ} として出現しているのみである。
※ 全曲を通して、{ファ→ミ}という、ドミナントモーションを感じる旋律線ながら、3全音を伴った解決は、ピンポイント使用。
つまり、避けている。
※ いいかえれば、だましの{ファ→ミ}で作られているといった方が感覚に合う。
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UB 編曲で誕生した旋律{ラーシードソミソ}は、編曲なのか? |
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(1) 原曲で使用されている「短音、かつ弱音」をつなぎ合わせた。だから、作曲ではない? |
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※ 原曲で使用されている短音、かつ弱音とは
【練9 11〜12】 {ドラ
ドシ ドソミソ} の {ラ} と {シ} と
{ドソミソ}
であり、対旋律(チェロ)が演奏する経過音である。
弱拍部分の、半スタッカートで、一六分音符部分を採用し、拡大した上で連結した。
ほとんど、聴き取れない存在を{ラーシードソミソ} として主役にしたといえる。 |
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(2) {ファーファー
ミファレミドミ}部分の、低音域で目立たない進行を、内声化することで、全体として、より良くした? |
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※ 福永編が、活かす為にしたことは、独自のモチーフ創作?とすると説明しやすい。
と、すれば、全体を活かす為に、そうせざるを得ないほど、原作の、この部分が、悪いということになる?
※ 独自のモチーフとは、は {ラシド} の上向順次進行3音といえないだろうか。
※ 第2曲第1主題 {ドソドレミファソー} 出現につづく、{ラーシドシーラーソーミーファ} の {ラーシド}
を使っているのだろうか。
その後、バスに、 {ラシド} を、対旋律として歌わせている様に思える。
そして、第1、第2テナーの{ラーシードソミソ} {ラーシー}と続く。(この時、{ファーファー ミファレミドーミー}
は内声)
※ 第2曲第1主題の再現時、
原作者のカノン風処理とも、つなげた {ラーシードソミソ} {ラーシー} (この時、{ファーファー ミファレミドーミー}
は内声)
※ しかしながら、縷々説明の通りだが、、{ラシド}
の入り込む余地は、みじんもないと感じる。
※ かりに、第1モチーフ {ミラシド} の1変形が、{ラーシードソミソ} だとしても、
第2モチーフ {ファミ} {ファーファー ミファレミドーミー} を、内声化して良いのか。
※ 第1モチーフと第2モチーフの2重奏は、全曲の最後に、狙いすまして、登場するのであって、
ここで登場させる、編曲意図は何だろう。
※ {ラーシードソミソ} という美しい旋律を、原作中に見いだしたとしても、このように扱うこと自体、理解できない。
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(3) 単旋律である歌曲の
「男声合唱化」 に際し、必要な改造であった? |
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※ 第2曲第1主題 {ドソドレミファソー}
を、活かし、旋律線の頂点である「shone Welt シェーネ ヴェールト」
(【練9 15〜16】
【練12 43〜44】)へ、一直線に駆け上がる編曲とした。
この頂点に向かう為に、屈伸の役目をする低音域の第2主題{ファーファー ミファレミドミ}は、不要とばかりに、
テナーの対旋律を作り、旋律線の「谷」を埋めた。
この旋律線の「谷」は、音域が狭い男声合唱では、屈伸効果をもたらさないということだろうか。
※ そこで、その実現に当たっては、原作に内在する音符を、最大限、利用したというわけ。
※ この {ドソドレミファソー} は、第1交響曲(タイタン)にも、主旋律として使い回している、思い入れの強いモチーフであり、
1番有名なメロディだから、全曲を通じた中で、編曲上、特に、工夫が必要?
しかし、同じ、タイタンの中で、{ファーファー ミファレミドミ}も、モチーフとして、同様に、発展して、使用されているが。
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