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さすらう若人の歌 作曲考 … マーラー作曲  1/5  2/5  3/5  4/5  5/5     編曲考

さすらう若人の歌 作曲考  /5

 T 調性の配列
 U 和声上の特長
 V 旋律上の特長

 W カデンツと旋律
   … 保続音(状態)とモチーフに注目して、構成を見る   
第1曲 第2曲 第3曲 第4曲


          注1 { }は移動ド表現です。 {ミレドレミーラーミー}  大文字は、モチーフを表現
          注2 [ ] は固定ド表現です。 [ラソファソラーレーラー]
          注3 【 】は練習番号と小節を示す。 。   【練11 111】は練習番号11で最初から111小節目
          注4 「保続音」とは、強拍、或いは、高頻度で出現する同音の(保続音)状態。
          注5 オーケストラ譜 音楽之友社「OGT1251」をベースに説明。

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W カデンツと旋律
 … 保続音(状態)とモチーフに注目して、構成を見る  1
  第1曲  96小節 … 内79% (76小節) は保続音
 
第1部 【練0】〜【練2】 43小節
  @ 【練0 1〜4】 4小節  主調ヘ長調のY Dmin                          {Amin}
  カデンツ … 保続音までには、至ってないが、根音D{A}が継続して存在。
      独立和音的カデンツ進行。トニック(T)。

旋律  … 【練0 1〜4】 第1モチーフ@ 2回 {ミレドレミラミ}                      {ミラシド}
 

A 【練0 5〜練1 21】 17小節  主調ヘ長調のY Dmin                     {Amin}

 

カデンツ … 保続低音は根音 D{A} により、トニック。
      また、この間は、同時保続低音状態ともいえる。

旋律  … 【練0 5〜8】 第1モチーフA  第1主題  {ミレドレミーミーラーミー}            {ミラシド}

     →【練0 8〜9】 伴奏部は 第1モチーフ@  {ミレドレミラミ}                  {ミラシド}

     →【練0 10〜12】 旋律は、第1モチーフA模倣  {ファミレミファーラーファー}         {ミラシド}

     →【練0 12〜13】 伴奏部、第1モチーフ@模倣  {ファミレミファラファ}              {ミラシド}

     →【練1 14〜17】 伴奏部、Y度跳躍を先頭に、順次進行下降による経過句が
      第2モチーフAで終わる。   {ミードーシーラーシラソファミー}                   {ファミ}

     →【練1 17〜21】 伴奏部、第1モチーフ@+第1モチーフ@後半+第1モチーフ@前半 
      {ミレドレミラミー ラミーレドレミ}                                    {ミラシド}

     →【練1の19 21】 伴奏部、第3モチーフ@  {ミラミラミラ}                   {ラミラミ}

  B 【練1 22〜29】 8小節 内部調変ロ長調のT BbMaj (主調ヘ長調のW)         {FMaj}
  カデンツ … 保続低音は根音Bb (主調のW度){F} で、サブドミナント。

旋律  … 【練1 22〜25】 第2モチーフ@(内部調変ロ長調のT、{ドーシー})(主調ヘ長調のW、{ファーミー})
      を先頭にしたフレーズが2回繰り返し。
      {ドーシーシーラー ドーシーシーラー} {ファーミーミーレー ファーミーミーレー}              {ファーミー}

     →【練1 26〜28】 旋律は、第1モチーフA前半模倣(内部調変ロ長調の{ソファミファソー})+第2モチーフA模倣(同{ラーソー})
      (この{ラーソー}は、属九の\度が解決する限定進行音に相当)
      和声進行は、BbMaj→F9b5→BbMajであり、ドミナントモーションしている。
      {ソファミファソーラーソー} {ドシbラシbドーレードー}                {ミレドレミ} {ファーミー}

     →【練1 28〜29】 伴奏部に第1モチーフ@模倣 
      {ソファミファソドソ} {ドシbラシbドファド} {ミレドレミラミ}                        {ミラシド}
  C 【練2 30〜37】 8小節 内部調変ロ長調の平行調 ト短調 Gmin を先頭に流動的  (主調ヘ長調のU) {Dmin}
  カデンツ … 保続低音は無く、独立和音的カデンツ進行

旋律  … 【練2 30〜33】 旋律は、{ファミファーミーレー・ミレド#レミー}
      また、ハ短調 C Aeolianの順次進行 {ドシドーシーラー・シラソ#ラシー} と一致。
      前半に第2モチーフ@ {ファ(ミ)ファーミー(レー)} {ド(シ)ドーシー(ラー)}を含み、
      後半に、第1モチーフA前半模倣 {ミレド#レミー} {シラソ#ラシー} を含む。    {ファーミー} {ミラシド}

     →【練2 34〜37】 旋律は、{ファーレードーシb ラドーソ#}で、Y度跳躍を先頭に、下向。
      この旋律線は、ト短調のW調(ハ短調)の旋律線で、 {ドーラーソーファー・ミソーレ#}と下向順次進行に一致。
      (ただし {ソ} と {レ#} は転位音 )。第2モチーフ@を含む。
                                                       {ファミ}

      続いて、最終音 F# {ソ#} {レ#} を導音とし、次の【練2 38】 G Aeolian音階の旋律が始まる。
  D 【練2 38〜43】 6小節 内部調ト短調のT Gmin (主調ヘ長調のU)       {Dmin}
 

カデンツ … 保続音は属音 D (主調、ヘ長調のY度){A} で、トニック。 

旋律  … 【練2 37〜39】 旋律の{ソ#ーラー}【練2 37〜38】に呼応する伴奏部(高音部)だが、 
      内部調、変ロ長調に解決するかのような旋律線である。
      これ{ファミレドレミ・ラミー} は、第2モチーフB+第1モチーフ@ 。
      しかし、和声進行は、D9根省→Gminで、実は3全音の解決を伴い、ト短調にドミナントモーションしている。 
                                                    {ファミ} {ミラシド}
     →【練2 40〜43】 伴奏部、第1モチーフ@の後半+第1モチーフ@の前半 {ラッミーレドレミ}
                                                         {ミラシド}
     →【練2 37〜42】 一方、同時に、伴奏低音部では、第2モチーフを使用したトリル
      {ミファミファミ〜}                                              {ファミ}

     →【練2 41〜43】 伴奏低音部では、第3モチーフ@ {ミラミラミラ}                {ラミラミ}

  第2部 【練3】〜【練4】 20小節
  E 【練3 44〜52】 9小節  変ホ長調のT EbMaj (主調、ヘ長調の oZ)           {BbMaj}
  【練3 53〜56】 4小節 内部調変ロ長調のY Gmin (主調、ヘ長調の U)         {Dmin}
 

カデンツ … 保続音は属音 Bb (主調、ヘ長調のW度){F}で、サブドミナント。

旋律  … 【練3 44〜45】 伴奏部でX度、Bb{ソ}が強拍で鳴り、
      同時にT度のEbを中心に転位音を交え{ドー(レシ)ド(レ)}が、2回繰り返す。

      続いて、【練3 46〜47】旋律で {ソー(ラ)ソー・ソー(ラ)ソー}(ラは転位音)が続く。
      転位音と同度を除くと【練3 44〜47】で第3モチーフA を形成             {ドーソー}

     →【練3 48】 旋律で、最初の2拍が、2音{ラーシ}の順次進行、
      そして、3拍目から【練3 48〜52】で、5小節をかけて、第1モチーフA左右反転(転位音{ラ}と同度を除く)。
      {(ソラーシ)ドードレミレドー・ソー(ラ)ソー・ソー(ラ)ソー}                        {ソドレミ}

     →【練3 53〜55】 旋律は、内部調変ロ長調のY(Gmin)へ転調
      第1モチーフC+第2モチーフAが出現 {ミラーシドレミ・ファーミー}         {ミラシド} {ファーミー}

     →【練3 55〜56】 伴奏部で、第1モチーフ@模倣が2回出現。
      {ミレドレミラミ}                                            {ミラシド}

  F 【練4 57〜60】 4小節  ヘ長調のT FMaj (主調のT)                   {CMaj}
  【練4 61〜63】 3小節  ヘ長調の+Y DMaj (主調の +Y)                 {AMaj}
 

カデンツ … 保続音は属音 C{G}により、ドミナント。

旋律  … 【練4 57〜60】 転位音1音[G#]を含んだ順次進行と、
      4(5)度跳躍使った旋律により経過句を形成。{ソーファミレ#ミ・ラーミファー・ラソー・レソー}

     →【練4 61〜63】 伴奏部はニ長調旋律(D Ionian)で、経過句を形成。
      それは即、同主短調で始まる、第3部(主題再現) Dmin の効果を狙った、
      導入部の役割を意図したものとなっている。

  第3部 【練5】〜【練7】 33小節 
  G 【練5 64〜70】 7小節  ヘ長調のY Dmin (主調ヘ長調のY)              {Amin} 
 

カデンツ … 同時保続低音 根音 D{A}、X度 A{E})により、トニック。

旋律 … 【練5 64〜67】 第1モチーフA  {ミレドレミーミーラーミー}                    {ミラシド}

     →【練5 68〜70】 旋律は、第1モチーフAの模倣。 {ファミレミファーラーファ} {ミレドレミーラーミー}
                                                          {ミラシド} 

  H 【練5 71〜76】 6小節   ヘ長調のY Dmin (主調ヘ長調のY)              {Amin} 
  カデンツ … 保続低音 根音D {A} により、トニック。

旋律 … 【練5 71〜74】 Y度跳躍を先頭に、順次進行下降による経過句が、第2モチーフAで終わる。
      {ミードーシーラーソーファーミー}                                    {ファミ}

     →【練5 74〜76】 伴奏部が、第1モチーフ@+第1モチーフA前半 {ミレドレミラミーレドレミー}
                                                         {ミラシド} 
  I 【練6 77〜88】 12小節   ヘ長調のY Dmin  (主調ヘ長調のY)             {Amin} 
  カデンツ … 【練6 77〜80】 保続低音は根音Bb {F}により、サブドミナント。

     →【練6 81〜88】 独立和音的カデンツ進行。

旋律 … 【練6 77〜84】 旋律線は、Bb Ionian音階を下降し、経過的に推移。
      第2モチーフ@+第1モチーフA+第2モチーフ@+第1モチーフA
      {シドーシシーラー ソファミファソー・ファミファーミーレー ミレド#レミー(シラソ#ラシー)}     {ミレドレミ}{ファミ}

     →【練6 83】のB音を、導音とする C Aeolianの旋律【練6 83〜88】。
      Y度跳躍を先頭に、順次進行下向し経過句を形成。
      {(シラ)ソ#ラシー・ドーラーソーファー・ミソーレ#(シ)}                         {ミレドレミ}

     →【練8 88】 F#(前記レ#(シ))音を導音とし、J【練7】G Aeolianの旋律に移行。
  J 【練7 89〜96】 8小節  内部調ト短調のT Gmin (主調ヘ長調のU)             {Dmin}
  カデンツ … 保続音は属音 D (主調、ヘ長調のY度){A}で、トニック。

旋律 … 【練7 88〜92】 第2第モチーフA+1モチーフ@2回  {ファー ミレドレミ ラッミー}   {ファミ}{ミラシド}

     →【練7 93〜96】 第2モチーフB2回  {ファーミー}                     {ファーミー}

      【練7 89〜95】 伴奏低音部では、第2モチーフを使用したトリル {ミファミファミ〜}       {ファミ}

     →【練7 94〜96】 伴奏低音部では、第3モチーフ@ {ミラミラミラ}               {ラミラミ}

全曲の中で、ここの第2モチーフBだけ、内部調ながら、ドミナントモーションを2回繰り返している。
… 第1曲が、Dをトップノートとして終わることは、即、つづく、第2曲の主調ニ長調との接続を意識している。
  第2曲のイントロが、X度 A(つまり、この最終音Dは根音となる)から始まり、
  また、このX度は、50小節に及ぶ、保続音状態を形成していくA{G}である。