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さすらう若人の歌 作曲考 … マーラー作曲  1/5  2/5  3/5  4/5  5/5     編曲考

さすらう若人の歌 作曲考  /5

 T 調性の配列
 U 和声上の特長
 V 旋律上の特長

 W カデンツと旋律
   … 保続音(状態)とモチーフに注目して、構成を見る   
第1曲 第2曲 第3曲 第4曲


          注1 { }は移動ド表現です。 {ミレドレミーラーミー}  大文字は、モチーフを表現
          注2 [ ] は固定ド表現です。 [ラソファソラーレーラー]
          注3 【 】は練習番号と小節を示す。 。   【練11 111】は練習番号11で最初から111小節目
          注4 「保続音」とは、強拍、或いは、高頻度で出現する同音の(保続音)状態。
          注5 オーケストラ譜 音楽之友社「OGT1251」をベースに説明。

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W カデンツと旋律
 … 保続音(状態)とモチーフに注目して、構成を見る  3
  第3曲  80小節 … 内53% (42小節) は保続音
 
第1部 【練19 1】〜【練21 32】 32小節
  @ 【練19 1〜4】 4小節  主調ヘ長調のY Dmin                         {Amin}
  カデンツ … 【練19 1〜4】 独立和音的カデンツ進行

       根音D{A}、第5音A{E}の同時発音(つまり、主和音Dmin{Amin}の第3音除き)と、
       属九和音A9{E9}の根音A{E}省略形分散和音を繰り返す。

旋律 … 【練19 1〜4】 伴奏は、1小節に1回、ドミナントモーション

      (主和音の根音D{A}と属和音の根音A{E})を繰り返す。
       ただし、属和音は、根音省略形のため、発音していないが、ルートモーション自体は、明確。
       つまり、{ソ#→ラ}ではなく、{ミ→ラ}となる。)    
      根音の動きは第3モチーフ@                                   {ラミラミ}
  A 【練19 5〜11】 7小節  内部調ニ短調のT(主調ヘ長調のY) Dmin            {Amin}
 

カデンツ … 【練19 5〜9】 保続音 根音D、{A}によりトニック。

     → 【練19 10〜11】 独立和音的カデンツ進行

旋律 … 【練19 5〜6】 第1主題(第1モチーフC)は、導音C#を先頭に、順次進行で、短音階(D Aeolian)を上昇
       {ソ#ラシドレミー}                                           {ミラシド}
     → 【練19 6〜8】 旋律は、短音階を下向順次進行(自然的短音階) {ラドードシラソファー}。
       この時、伴奏部の低音楽器は、対旋律として、第1モチーフCを奏する。{ミラーシドレミファ}
                                                         {ミラシド}
     → 【練19 8〜9】 旋律は、第2モチーフC (Dmin→E7) [ラーソ#ー] {ミーレ#ー}       {偽ファミ}

     → 【練19 9〜10】 旋律は、第2モチーフ@ (Emin7-5→AMaj) [シbーラー] {ファーミー}    {ファミ}

     → 【練19 10〜11】 旋律は、第2モチーフC (Edim→AMaj) [ミソーファミ] {シレードシ}   {偽ファミ}

     → 【練19 11〜12】 伴奏部で 第1モチーフC  {ソ#ラシドレミー}                 {ミラシド}  

  B 【練19 12〜17】 6小節  内部調ニ短調のT(主調ヘ長調のY) Dmin            {Amin}
 

カデンツ … 【練19 12〜14】 保続音は、属音A、{E}によりトニック

     → 【練19 15〜17】 独立和音的カデンツ進行

旋律 …  【練19 12〜14】 旋律は、第1モチーフC {ソ#ラシドレミーラドー}
                                                 {ソ#ラシドレミ}{ソドレミ}
     → 【練19 13〜14】 伴奏部低音群が、第1モチーフC {ソ#ラシドレミーラドー}
                                                 {ソ#ラシドレミ}{ソドレミ}
     → 【練19 14〜15】 旋律で、2音 FMaj7→BbMaj [ミーレー] {シーラー}
                                                       {偽ファーミー}
     → 【練19 15〜16】 旋律は、第2モチーフC (Dminmaj7→F#dim) [ド#ードー] {ソ#ーソー}
                                                       {偽ファーミー}
     → 【練19 16〜17】 伴奏部が、第2モチーフ@+第1モチーフA {ファミーレドーレミー}
                                                    {ファミ}{ミレドレミ}

  C 【練20 18〜練21 32】 15小節  主調ヘ長調のY Dmin                     {Amin}
 

カデンツ … 【練20 18〜25】 保続音 根音D、{A}によりトニック

     → 【練21 26〜32】 独立和音的カデンツ進行

旋律 …  【練20 18〜19】 第3モチーフA {ラーララーラ レーレレー} {ソーソソーソドードドー}                  
                                                         {ソードー}
       同時に、伴奏部で、対旋律低音部 第1モチーフ@前半+第3モチーフ@ 
       {ラドーレミレ(ド)}+{ドファ} {ミソーラシラ(ソ)}+{ソド}                          {ソドレミ}  

     → 【練20 20〜21】 旋律は、第3モチーフA {ラーララーラ ミーミミー}              {ソードー}

       同時に、伴奏部で、対旋律低音部 第1モチーフB+第3モチーフ@ 
       {ミラシドレドシミ} {ドファソラbシbラbソド}                               {ミラシド}

     → 【練20 22〜23】 旋律は、第2モチーフ@+第1モチーフ後半 (順次進行3音) とその模倣 
       {ラーソ#ミーファソー ファーミ レーミファー} {ファミドレミbー レード#ファ#ソラー}          {ファミ}{ミラシド}

       同時に、伴奏部で、【練20 22】3拍目が【練20 23】1拍目に(3全音の)解決
       (内部調ニ短調の中で、D7→GMaj)

     → 【練20 24〜25】 伴奏部で、第2モチーフ@+第1モチーフ後半 (順次進行3音) とその模倣
      {ラーソ#ミーファ#ソー ファーミ ド#ーレミー}  {ファミドレミbレー レード#ファ#ソラー}        {ファミ}{ミラシド}
                          
       同時に、伴奏部で、【練20 24】3拍目が【練20 25】1拍目に (3全音の) 解決
      (内部調ニ短調の中で、D7→GMaj)

     → 【練21 26〜28】 旋律は、半音音階下向

     → 【練21 28〜30】 旋律は、第2モチーフCの繰り返し{ラーソ#ー}              {偽ファミ}

     → 【練21 30〜32】 伴奏は、半音音階と分散和音を下向 

  第2部 【練21 33】〜【練23 63】 31小節
  D 【練21 33〜40】 8小節  主調ヘ長調のU Gmin                         {Dmin}
  カデンツ … 【練21 33〜40】 独立和音的カデンツ進行

       第3曲第1部@と、keyが5度違う以外は同内容で再現。
       ドミナントモーションの3回目からは、流動的に推移。

旋律 …  【練21 33〜39】 伴奏部が、第3曲第1部@と、同形で出現
      根音の動きは、同様に、第3モチーフ@                            {ラミラミ}

     → 【練21 40〜練22 42】 旋律は、3小節使って、第2モチーフ@
       (W→+T) {Fmin→CMaj} {ファーミー}                           {ファーミー}
  E 【練22 41〜44】 4小節  主調ヘ長調の+U GMaj                        {DMaj}
  カデンツ … 【練22 41〜44】 保続音 根音 G{D}により、サブドミナント。

旋律 …  【練22 41〜42】 旋律は、【練21 40】から始まる第2モチーフ@の後半部

     → 【練22 43〜44】 伴奏部で、第3モチーフ@ {ドソードソードソード}             {ドソドソ}
  F 【練22 45〜練23 56】 12小節  主調ヘ長調のU Gmin                    {Dmin}
 

カデンツ … 【練22 45〜練23 56】 保続音 根音 G{D}により、サブドミナント

旋律 …  【練22 45〜49】 旋律は、1小節の前奏(旋律の先頭と同音)を伴い、
      第3モチーフAとその模倣 {ラーララーラレーレレー} {ラーララーラミbーミbミbー}
                                                {ソーソソーソ ドードドー}
     → 【練22 50〜51】 旋律は、第2モチーフ@、第2モチーフA。{ファーミー、レードー}
                                                  {ファーミー、レードー}
       同時に、伴奏高音部で、第2モチーフ@+第1モチーフ後半(順次進行3音)
       これは、【練20 22〜23】と同旋律 {ラーソ#ミーファソー、ファーミ レミファミー}
                                                    {ファミ}{ミレドレミ}
       同時に、伴奏低音部で、【練22 50】の3拍目が、【練22 51】の1拍目に(3全音の)解決
       これは、G7→CMaj

     → 【練22 52】 伴奏部で 第2モチーフC
       変ロ長調のY(Gmin)の分散和音を駆け下る中で平行5度の形態にて出現 {シbーラー}                                         
                                                        {ファーミー}
       また、上述の【練22 50〜52】について、旋律および、それに続く伴奏部を、旋律線として捕らえると、
       変ホ長調(内部調変ロ長調のW、主調のoZ) Eb Ionian下向順次進行が存在する。
       {ファーミー、レードー、シbーラー} {ドーシー、ラーソー、ファーミー}

       これは、第3曲第1主題後半の下向旋律 【練19 7】 が、
       第2モチーフの組み合わせで、再現していることにもなる。

     → 【練23 53〜56】 第3モチーフA2回。 {ドードドード ファーファファー} {ドードドード ラーララー}          
                                                {ソーソソーソ ドードドー}

  G 【練23 57〜練24 63】 7小節  内部調ト長調 GMaj (主調の+U)             {DMaj}          
 

カデンツ … 【練23 57〜61】 独立和音的カデンツ進行

旋律 … 【練23 57〜59】 旋律は、第2モチーフ@3回。                      {ファーミー}

     → 【練23 60〜60】 伴奏は、{ミファ#ソファ#ミシー} {ラシドシラミー}と、第1モチーフ@の変形を奏する。
                                                         {ミラシド}

     → 【練23 60〜61】 旋律が、呼応して、{ラシドレミファ#ー} つまり、D Ionian上向順次進行 {レミファソラシーシシー}を形成。
      これは、最終音が導音となるかのように聞こえる。
      
     → 【練23 62〜64】 旋律は、ここで、解決をするようにみせて、さらに、転調をしていく。
      [レード#ド#] {ドーシシ} と、解決を思わせる旋律線をたどりながら、即、半音アップし [レ#レ#] と、経過句が続く。
      そして、矢継ぎ早に、短3度上に転調したかのように[ファ#-ファファファファ] {ドーシシシシ}で、頂点を迎える。
      [レード#ド# レ#レ# ファ#-ファファファファ]は、{ドーシシ}+{ドド}+{ドーシシシシ} のように聞こえる。

      ここの一連の、転調感の強い、{ドーシシ} という解決への旋律線は、第2モチーフCでもある。
                                                         {偽ファミ}

  第3部 【練24 64】〜【練25 80】 17小節
  H 【練24 64〜練24 67】 4小節 内部調変ホ短調のX(主調へ長調のW) BbMaj       {FMaj}
  カデンツ … 【練24 64〜67】 独立和音的カデンツ進行

       第3曲第1部@と、keyが長3度違う以外は同内容で3度目の再現。
       ドミナントモーションの3回目からは、流動的に推移。

旋律 … 【練24 64〜67】 伴奏群が、第3曲第1部@と同形で、3度目の再現。
      根音の動きは、同様に、第3モチーフ@ {ラミラミラミラー}                   {ラミラミ}

     → 【練24 65〜66】 同時に、第2モチーフ@2回。 {ラbソー} {ドーシー}       {偽ファーミー}

     → 【練24 67〜68】 伴奏群は、1小節内で、低音から、半音階のはやいパッセージで、高音域に一気に駆け上る
      そして、 【練25 68〜74】の短かく強い同音の前奏へ
  I 【練25 68〜74】 7小節 内部調変ホ短調のX (主調へ長調のW) BbMaj         {Bbmin}
  カデンツ … 【練25 68〜74】  保続音 属音 Bb、{F}によりサブドミナント

旋律 …  【練25 68〜74】 旋律は、6度跳躍後、2オクターブ近い、音階(Eb aeolian)を、
      7小節かけて、順次進行下向。 {ミドーシラソファミーレー ドーシラ レードシラソファファーミー}

      旋律線は、第2モチーフ@の、2回目の出現で、終える。                   {ファミ}
  J 【練25 75〜77】 3小節 内部調変ホ長調のT (主調へ長調のZ) EbMaj         {BbMaj}
  カデンツ … 【練25 75〜77】 独立和音的カデンツ進行

       第3曲第1部@と、keyが長3度違う以外は同内容で4度目の再現。
       ドミナントモーションの3回目は、今回は、Pで、力無く上昇。

旋律 … 【練25 75〜77】 伴奏群が、第3曲第1部@と同形で、4度目の再現。
      根音の動きは、同様に、第3モチーフ@  {ラミラミラミ}                          {ラミラミ}
  K 【練25 78〜80】 3小節 内部調変ホ短調のT (主調へ長調のoZ) EbMin         {Bbmin}
 

カデンツ … 【練25 78〜80】 保続音 根音 Eb、{Bb}により、ドミナント。

旋律 … 【練25 78〜80】 分散和音を下り、根音である、Ebで終了
      主調のヘ長調に戻らず、終わる。

      このユニゾンのEbは、第4曲の旋律(ユニゾン)の出だしEに、半音上昇して解決する導音{ソ#}に位置する。